女性ホルモンと生理は切っても切れない関係

生理のしくみ

生理は、不要になった子宮内膜の排出

女性のカラダは約1ヵ月に1回、卵巣から卵子を排出します(排卵)。また、それに合わせて子宮内膜を厚くし、受け入れ態勢を整えて受精卵を待ちます。
ところが、卵子が受精しなかった場合は準備した子宮内膜がいらなくなり、はがれて体外に排出されます。これが生理です。

 

生理は、女性ホルモンの影響で起こる

排卵と生理のサイクルに大きな影響を及ぼしているのが、2種類の女性ホルモンです。生理が終わってから排卵までは卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌が多い時期で、「卵胞期」と呼ばれます。また、排卵後から生理までは黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が多くなり、「黄体期」と呼ばれます。

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生理のメカニズム

妊娠しなかったときは、両方のホルモンの分泌が低下。子宮内膜ははがれ落ち、血液とともに体外に排出されます。

卵巣の中の卵子のもととなる原始卵胞が成熟。成熟卵胞からは卵胞ホルモン(エストロゲン)がたくさん分泌され、その影響で子宮内膜が厚くなります。

排卵後の卵胞が黄体に変化します。
この黄体からは黄体ホルモン(プロゲステロン)が多く分泌され、その作用で子宮内膜はより厚く、妊娠に適した状態になります。

成熟卵胞から卵子が排出されます。
これを排卵といいます。

出典:池田書店「からだのことがよくわかる 女性の医学」(P25)

GnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)が間脳の視床下部から分泌され、その刺激で下垂体からFSH(卵胞刺激ホルモン)が分泌される。

1 GnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)が間脳の視床下部から分泌され、その刺激で下垂体からFSH(卵胞刺激ホルモン)が分泌される。

FSHの作用で、卵巣内の原始卵胞が発育し、1個が成熟卵胞になる。

2 FSHの作用で、卵巣内の原始卵胞が発育し、1個が成熟卵胞になる。

成熟卵胞が、卵胞ホルモン(エストロゲン)を分泌。

3 成熟卵胞が、卵胞ホルモン(エストロゲン)を分泌。

卵胞ホルモン(エストロゲン)の作用で、子宮内膜が増殖する。

4 卵胞ホルモン(エストロゲン)の作用で、子宮内膜が増殖する。

下垂体からLH(黄体化ホルモン)が分泌される。

5 下垂体からLH(黄体化ホルモン)が分泌される。

LHの作用で、成熟卵胞から卵子が飛び出す(排卵)。

6 LHの作用で、成熟卵胞から卵子が飛び出す(排卵)。

alt="卵子が飛び出した後、卵胞は黄体という組織に変化し、黄体ホルモン(プロゲステロン)を分泌。"

7 卵子が飛び出した後、卵胞は黄体という組織に変化し、黄体ホルモン(プロゲステロン)を分泌。

黄体ホルモン(プロゲステロン)の作用で、子宮内膜は厚くなり、受精卵の着床準備を整える。

8 黄体ホルモン(プロゲステロン)の作用で、子宮内膜は厚くなり、受精卵の着床準備を整える。

受精卵が子宮内膜に着床すれば妊娠成立。妊娠しなかった場合は、黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が止まり、いらなくなった子宮内膜がはがれて血液とともに体外に排出される(生理)。
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受精卵が子宮内膜に着床すれば妊娠成立。妊娠しなかった場合は、黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が止まり、いらなくなった子宮内膜がはがれて血液とともに体外に排出される(生理)。